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「太った自転車」 [埴輪放言録]

ここの所、地震・停電・ガソリン不足で、通勤通学の足として自転車が脚光を浴びているのはご存知の事と思う。例年でもこのシーズンはよく売れるのに、今年は何か切迫感が漂う売れ方のような気がする。

アップダウンの多いこの辺りの地域では、電動アシスト自転車がよく売れる。年配の方や、通園送迎用といった需要も勿論多いけど、それ以外の需要も多い。坂が多い=電動アシスト、という図式がインプットされている方が多いのだろう。一般車の数倍の値段の商品でも、躊躇せずにご購入されるケースが多い。

でも、敢えて言ってみる。それは最善の選択だろうか?

「あれは、太った自転車なんです。」先日、とあるお客様が呟いた。
電動アシスト自転車って物を、凄く端的に言い表していると思う。

話を聞いてみると、4~5年前、通園送迎用に電動アシスト車を購入した。通園用にバリバリと使っている頃は、とてもパワフルで便利だと思っていた。通園が終わっても、通勤や買い物用に活用出来ると思っていた。しかし、バッテリーが次第にヘタって来た。ついに一度の充電で往復走る事が出来なくなったので、バッテリーを買い替えようと調べたら、約4万!さすがに躊躇する金額なので、スイッチを入れないで走ってみる事にしたら、平地はともかく、坂が重くて重くて...。

そう。電動アシスト車は車重があるので、バッテリー無しでは、ただのしんどい自転車と化してしまう。そして、バッテリーには寿命がある。使用状況によって変わるけど、大体3年ぐらいで交換する人が多い。バッテリーは物によって価格が違うが、2万〜4万位。ほいっと出すには躊躇する金額じゃないだろうか?

「もしかして、こういう自転車(クロスバイク)で鍛えたら、坂登れたりしません?」
先ほどのお客様は、こんな事も言った。これ、鋭いご指摘だと思う。

いかにも筋力無さそうな女性、子供が、案外するっと坂登っているのを目撃した事が無いだろうか?大雑把な理論だけど、重力に逆らう仕事である登坂は、軽い方が有利な筈。そういえば自転車ロードレースのクライマーという脚質の選手は、大抵、細身だし。軽いというのは、筋力の少なさを補って余有る有利さなんだろう。

少なくとも、重たいバッテリー切れの電動アシストで無理矢理坂を登るより、軽量なクロスバイクで登れる限り走る方が、お財布にも身体にも楽なんじゃないだろうか。予算4~5万でも、ちょっと走るには十分なクロスバイクが買える。件のお客様は、悩んだ末、軽量なクロスバイクをお買い上げになった。きっと軽やかに坂を登って帰られた事だろう。

勿論、電動アシストにはメリットも沢山ある。重量物の運搬や子供の送迎、身体的事情などがある方には、十分に有用な物だと思う。ただ、ランニングコストを込みで考えて、敢えてアシストが必要かどうか?は、ちょっと立ち止まって考えて頂きたいと、店員の本音として思う。バッテリー寿命=廃車のような使い方は、もったいないお化けが出るゾ!!

電動アシストついでに、津波の被災地で電動アシスト自転車をお持ちの方に是非伝えて頂きたい事はこちら。津波に限らず、冠水した物は絶対にスイッチ入れたり、充電したりしないよう気をつけて!!



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