SSブログ

入口はいつでも開いている [日々戯言]

081109_123733.JPG
※ちなみに画像は内容と全く関係なく、2009年サイクルモードで試乗するジュノン。

数日前の午後の話。

ベランダで洗濯物を取り込んでいたら、下の小さな公園の光景がちょっと気になった。

そこに居たのは小学校高学年と思われる男の子と、そのお祖父さんらしき人。どうやら男の子は自転車の練習をしているらしい。自転車はピカピカ。おそらく26インチのCTBだろう。身長から言えば、ギリギリ跨げるかな?といったサイズ。乗り馴れてる子なら、多少慣れれば乗ってしまうぐらいな感じ。

だけど、これから初めて乗るには、この大きさは相当キツかったのだろう。何度も跨がっては倒れ、また跨がっては倒れて下敷きになって痛がっている。お祖父さんが後ドロヨケあたりを支えて押している(昔は一般的な補助輪外しのやり方だった)けど、支えられて直立してるが故にフラフラするのと、どういう訳か、お祖父さんがどんどん縁石の方に押してしまうので、却って縁石にタイヤを摺ってコントロール不能になってまた転倒。それでも男の子は飽きる様子も無く、何度も何度も跨がっている。倒れた自転車を気にして「これ、壊れない?」なんて健気に言っている。

このやり方を繰り返しても、なかなか上手くならないどころか、怪我させてしまいそうだ。
こんなに根性のある子なのに、自転車嫌いになってしまうかもしれない。
ああ、もう気になって洗濯物どころじゃない。

余計なお節介とは分かりつつ、工具持って公園に行って、練習のお手伝いをしましょうか、と声をかけてみる。案の定、お祖父さんには相当胡散臭気に「何かありましたか?」と言われてしまったけど、男の子は興味津々な様子。

まず自転車を見せて貰う。残念ながら、これ以上サドルもハンドルも下げられない。
でも、ブレーキの開きはまだ調整可能だ。無理なく握れる開き幅に調整してから、練習スタート。

最近の補助輪外しは、足をべったりつけるぐらいの高さにサドルを調節し、両足で漕ぐ練習をする。その間に、ブレーキをかけて止まる事、視線を前に、曲がる時は曲がる方向を見る事を練習する。ある程度両足を離せるようになったら、その勢いで、ペダルを漕いでみる、といった流れ。

昔やっていたような、補助輪を片方だけ外す、後ろから支える、といった方法だと、いつまでも支えられるのに頼ってしまう事もある。支えられているから、倒れずに走れる訳じゃない。倒れる力よりも、前に進む力が上回っている時、真直ぐ走る事が出来る。それを身体で覚えるというやり方。

さすが小学生だけあって、こちらの言った事をすんなり理解してくれるのが助かる。
(なかなか言っている通りに出来ない幼児には、ペダルを外す方法もある。この為、簡単にペダルが外せる幼児用自転車も有る)自転車が身体に対しては大き過ぎるのと、まだ取り回しに慣れていないのがあって、やっぱり何度も転倒するけど、とっても根性がある。倒れた自転車を全力で起こしてゼイゼイ息を切らせているのに、一向に飽きる様子は無く「次は?次は?」と聞いてくる。

暫くして、近所の親子連れが数組、自転車に乗ってやってきた。ジュノンの同級生も居る。
この子よりも小さい子たちが、スイスイと自転車に乗って走っている。彼の顔が、ちょっと曇った。

悔しいだろう。分かる分かる、その気持ち。
自転車に乗れない子供って、いつも置いてきぼり。ホント辛いんだから。

ワタシだって、まともに乗れるようになったのはホンの6年程前の、相当に遅すぎた自転車乗りだから。キミならまだ十分に上達が早い。恥ずかしい事は何一つ無い。
出来るなら、なんとか、今日中に乗れるようにしてあげたい。

ああ、そういえば、と思いだした。ジュノンの自転車を貸せばいいんだ。
彼の自転車は22インチだから、この26インチに比べると相当小さい。サドルも多少上げてあるけど、この子には低過ぎるぐらいだ。早速持って来て跨がってもらう。予想通り、このぐらいの大きさなら、倒れてもさほど辛くなく起こせるようだ。

ジュノンの自転車で、また足で漕ぐのをやってもらう。最初はなかなかブレーキに手をかけられなかったり、視線が下をウロウロしてたりだったけど、いつのまにか、必ずブレーキを握り、目線を真直ぐ向ける事が出来ている。下り坂で少し足を離して乗れるようになったので、その勢いでペダルを漕ぐよう練習して貰う。ペダルに足を乗せるタイミングが、ちょっと難しそうだったが。。

結果、下り坂で3漕ぎ程漕ぐ事が出来た。もう少し練習すれば、問題無く乗れるようになるだろう。
あたりが暗くなって、お祖父さんがもう帰ろうと言ったので、帰ることになったけど。。
乗れた!乗れた!と、彼はとても喜んでいた。
自転車がかなり大きいので、問題無く走れるレベルに達するには、今のところ、ちょっと難しいかもしれない。

でも、もしまた会えたなら、いつでもジュノンの自転車は貸すよ。君の根性があれば、もう何も怖い物は無い。自転車乗りの入口は、いつでも開いている。遅い早いなど無いんだから。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。